オオカミの遠吠え通信

限りなくブラックに近いグレー。

何故人は簡単に騙されるのか。

とある俳優の名を語った迷惑メールが届いたことがある。
その内容は忘れてしまったが、正直俳優のイメージとは真逆のテンションの高さに「これが迷惑メールか」と。
因みに、問題のメールはそのまま放置していたのだが、その後マネージャーを名乗る男から「うちの××がショックを受けています」との連絡があり、思わず吹き出してしまった。
その後も様々な迷惑メールが届くようになり、受信設定の変更と同時にこれらのメールも削除。
今にして思えば、ネタの一つとして残しておくべきだったかも。
ところで、私は全く興味がなかったが、仮にその俳優の大ファンであれば、あり得ない!と思いつつも返信してしまうだろうか。
最初の数通ですっかり舞い上がった私は、やがてあり得ない話さえも無条件で受け入れてしまうのだろうか。

実は、これに近い話をとあるブログで見かけたことがある。
それはディープなファンブログであり、明らかに読者を選ぶ資質のもの。
簡単に言えば、信者にとっては有難い文章、非信者にとっては誹謗中傷にしか思えない文章があちこちに散りばめられている。
そんなブログなのだが、何故か私もアメンバーの一人として名を連ねていた。
最初の内は限定記事が読めることに魅力を覚えていたが、ある時期からポルノまがいの二次創作を行うようになり、正直関わるのが嫌になってしまった。
そんな訳で一時距離を置いていたが、ひょんなことから再び限定記事を閲覧することに。
そこに記されていたのは、メールフォームを経由してあるアイドルの関係者(アイドルに近い存在、と表現されていた)からメッセージが届いたこと。
これからも応援をよろしくお願いします、と書かれていたこと。
その後、その相手とのメールのやりとりがはじまり、思い切ってアイドル宛の質問を託したとのこと。
そして、その回答が暗号の形で返ってきたとのこと。
疑り深い私には信じがたい話ばかりだ。
冷静に考えてみよう。
「アイドルに近い存在」がどういう筋の人かはわからない。
少なくとも、所属事務所の関係者であることは考えられないし、仮にそうだとしたら関係者失格だろう。
何しろ、素性の知れない一ファンのブログにメッセージを送っているのだから。
では、アイドルの家族はどうか。
考えられない話ではないが、わざわざ特定のファンに連絡を取るとは考えにくい。
友人・知人も同様であり、そういった言動をしたことがばれた瞬間、彼らの信用は失われ、自然と距離を置かれるだろう。
いや、それ以前に特定のファンと連絡を取り合うこと自体にメリットがあるとは思えない。
あ、そのブログ主がモデル並みに綺麗で、何らかの形でアイドル自身が見初めることがあれば「こっそりと」メッセージを送っても不思議ではない。
実際にはあり得ないだろうけど。
しかし、ブログ主は違った。
その人物がアイドルの関係者であることを全く疑うことなく、自慢げに書き記している。
そして、コメント欄にもそれを称える言葉が溢れていた。
恐らく今も、ブログ主はその人物との交流を図っているのだろう。
そのうち「裏切られた」「騙された」と大騒ぎしなければいいけど。

それにしても何故、人はあっさりと騙されてしまうのだろう。
前述の場合、数あるファンブログの中から関係者の目に留まったという優越感がブログ主の中にあり、判断力が鈍ってしまったと考えられる。
第三者である私たちなら「そんな話がある筈がない」と一笑することが出来るが、当事者にすればそれは現実であり、しかも選ばれた者のみが享受出来る貴重な体験なのだ。
それを偽物だと言われた日には気分を害するだろうし、実際にそうしたやりとりが行われていたかもしれない。
人間とは弱い動物だ。