オオカミの遠吠え通信

限りなくブラックに近いグレー。

たかがライブ、されどライブ。

正直者は馬鹿を見るらしい。

いつものように、とあるファンブログを眺めていたら、信じがたい文言が飛び込んでくる。

曰く、三日連続でライブに参加したと。

ファンクラブ会員であれば理解出来ると思うが、通常チケットの申し込みは2回しか出来ない。

即ち、自らを代表者として申し込むか、他の会員を代表者として申し込みをするか。

後者の場合は同伴者扱いとなるが、その場合でも会員番号が必須だから、それ以上は申し込めない。

しかも日程がだぶった時点でアウトなので、まともな人であれば日程がかぶらないよう調整を行った上で申し込みを行う次第。

勿論、会員以外の誰かを同伴者とすることも可能だから、偽名を使えば三日分のチケットを確保することは可能だろう。

但し、そうした行為が認められるか否かは別問題である。

さて、百歩譲って「手段を選ばなければ、三日分のチケットを確保することは可能」としよう。

当然、規約違反の行為が含まれている訳だから、仮に私がその立場であれば誰かに話すことは慎むし、ましてブログ上でその話をすることなどご法度。

せいぜい「○日のライブに参加しました」と記すにとどめる。

理由はいうまでもなく、ファンクラブ会員の大半を占める「正直者」の神経を逆撫でしない為だ。

運良くチケットを入手した人であれば見逃してくれるだろうが、そうではない場合のやるせなさは容易に想像がつく。

それでなくともショックで立ち直れないだろうに、まるで傷口に塩を塗るような言動などどうして出来るのだろうか。

ま、そうした感覚が麻痺しているから平気でチケットを入手出来るのだろうし、ブログにも書き込めるのだろうが。

結果、コメント欄に罵詈雑言が投げ込まれても文句は言えない筈。

投げ込む方も投げ込む方だが、そうした言動を引き出したブログ主もブログ主である。

ところで、以前あるテレビ番組でショッキングな映像を見たことがある。

それは山奥にある工房での出来事。

月に一度、その工房で作られる招き猫の一般販売が行われるのだが、生産個数に限りがある為、購入希望者は予め籤を引く必要があるという。

流石に数量までは忘れたものの、購入希望者はその数十倍。

折角足を運んだものの、何も買えずに帰る人が大半なのである。

それでも購入希望者は後を絶たず、今月こそは…といった期待を胸に足を運ぶらしい。

第三者である一般視聴者にとっては、何とも奇妙な光景だったろう。

けれど、それに近いことなら現実に幾らでもある。

仕掛けようとして仕掛けられるものではないが、購入希望者の飢餓感をあおることで購買意欲を刺激する手法が。

あの映像は強烈だった。

喉から手が出る程欲したチケットも、見る人が見れば招き猫と同じなのかと。

再び、正直者の呟き。

本音をいえば、チケットが入手出来なかった時点で「チケット代が浮いた」と思ったのは事実。

というのも、とある場所で歌われた楽曲が明らかに口パクであることがわかってしまったから。

流石にライブではちゃんと歌うだろうけど、もしかしたら口パクに切り替える可能性も否定出来ない。

そんな疑念が生まれてしまったから、意外に冷めた反応だった。

卑怯な手段で入手した人の話を聞く度心中穏やかではないが、だからといって真似をしたいとは思わない。

たかがライブ、されどライブなのだ。

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