オオカミの遠吠え通信

限りなくブラックに近いグレー。

宴の後。

そして、週が明けた。

いつものように人々が動き出し、いつものように私も地下鉄に乗る。

いつものように車内は混雑し、いつものように地下道には人が溢れている。

時間帯が時間帯だけに、男性の多くがスーツ姿で、女性も学生(もしくは主婦)と思われる人以外はそれなりの服装で歩いている。

稀にラフな姿の男性を見かけるのだが、恐らくサービス業か何かに従事しているのだろう。

リラックスした姿でそれがわかる。

そんな中、一人の男性とすれ違った。

明らかに異質な感じ。

その理由は瞬時にわかった。

彼が着用していたTシャツの色は黄色。

勘の良い人ならおわかりだろうが、例のチャリティTシャツである。

週末にはあちらこちらで見かけたものの、ユニフォームとしてのそれには違和感があり、思わず目を背けた。

本人の意思とは関係なしに「着せられている」姿が嫌だったのだろう。

デザイン自体はとても好きで、私自身着用しているというのに。(流石に、週末には着なかったが)

で、偶然すれ違った男性である。

恐らく彼も、半強制的にTシャツを着せられた一人なのだろう。

「好き好んでこのTシャツを着ているわけではありません」と言いたげな顔が悲壮感を漂わせている。

せめて今日がチャリティ当日であれば、そんな彼の思いも上手に隠し通せたろうに。

宴は終わったのだ。

残骸としかいいようのない光景に、何とも遣り切れない気持ちに包まれた私である。