オオカミの遠吠え通信

限りなくブラックに近いグレー。

水が退いた後で。

「もう死ぬしかない」

その人は乾いた笑いを浮かべていた。



水害で家財を失い、内職の道具である業務用ミシンを失い。

生活の基盤を失った今、水が退いても何も残らない。

ただ、絶望感だけが残されている。



生活を立て直すにも、収入がない。

こうした現実を突きつけられ、流石に言葉を無くす。



先が見えないのは、私も同じだ。

この先どうなるのか。

不安な気持ちは募るばかり。



誰も悪くないのに。

多分、ほんの少し運が悪かっただけなのに。



それでも、私には希望がある。

その人からは、それすら消えかかっている。